翌朝・・・シンは一人で本殿に向かった
そして臆することなく堂々と、三陛下に挨拶をする
『皇帝陛下・皇后様・皇太后様・・・おはようございます。』
『太子・・・おはよう。』
『妃宮はどうしたのだ?』
意を決してシンは三陛下の目をじっと見つめ口を開く
『妃宮は自室で待機しております。本日は少し・・・ご挨拶に伺うのはバツが悪そうだったので
私一人で伺いました。陛下・・・もう報告が入っていると思いますが、
お許しもないまま勝手に事を進めてしまい申し訳ありませんでした。』
決して悪びれる風でもなく、シンはそういうと頭を下げた
その時だった
三陛下の元に息を切らしたチェギョンが顔を出したのだ・・・
『あのっ・・・遅くなって申し訳ありません。あのっ・・・皇太子殿下を叱らないでください。
私も…承知の上の事です///・・・』
シンに置いていかれてしまったのか、はたまた寝過ごしてしまったのか・・・チェギョンは慌てて身支度を整え
シンの後を追いかけ本殿に参上したのである
『妃宮♪』
とても元気な様子で更にはシンを庇う言葉を告げたチェギョンに、ほんの少しだけ心の中にあった不安・・・
それが払拭され三陛下は安堵の笑顔を浮かべた
『太子・・・報告は受けている。そのことならもうよい。二人が望んで決めたことだ。
私達に負い目を感じる必要はない。そなたたちはもうれっきとした夫婦なのだから。
妃宮がこうして元気な顔を見せてくれたので安心した。
法度があるのであまり言いたくはないが、卒業するまでは何かと気を配るのだぞ。よいな。』
陛下が何を言わんとしているのかシンはすぐに理解ができた
『解りました陛下。お許しいただけて嬉しく思います。では私達はこれで失礼いたします。』
チェギョンを労わるように手を背中に添え、本殿から去っていくシン
そんなシンの姿を見て、三陛下は満面の笑みを浮かべた
『あの二人のなんと仲睦まじい事♪』
『さようでございますな皇太后様・・・』
『私の判断もあながち間違っていなかったようだ。』
『婚姻当初の太子の表情は、切羽詰まっていて可哀想なほどでございましたが
本日の太子は、夫としての自信に満ち溢れておりましたわ。』
『万事上手く事が運んだと言えよう。ははははは・・・』
『まさしく。おほほほほ~♪』
本殿を後にしたシンとチェギョンは、ゆっくり歩きながら知らぬ間に手を繋いでいた
『もぉ・・・目が覚めたらシン君、いないんだもん。慌てちゃった・・・』
『陛下たちの前に出るのは恥ずかしいかと思って、寝かしておいてやったんだ。』
『それでも・・・一人で謝罪したんじゃあ、説得力がないでしょう?』
『まあな。くくっ・・・』
チェギョンはシンの肩にそっと頭をぶつけ呟くほどの小さな声で言う
『浮気なんかしたら承知しないんだからね。』
『くっ・・・誰が浮気するんだ?俺は筋金入りの一途な男だ。お前も知っているだろう?』
『うん。知ってる。』
『知ってるくせにそんなことを言うのか?』
『うん。知ってるけど言ってみたかったんだ。あはは・・・』
シンは苦笑しながらチェギョンの頭に自分の頭をぶつけ反撃する
二人の間には・・・今までと違った親密な空気が確実に漂っていた
翌週の昼休み・・・今まで以上に親密な皇太子夫妻を目にしたギョンとガンヒョンは、こっそり内緒話をしていた
『なあガンヒョン・・・前の二人ってやっぱりさぁ・・・』
『後夜祭の後、盛り上がっちゃったのかしらね。』
『陛下のお許しが出てないと聞いたけど、ぶっちぎったのかな~あはは~♪』
『でしょうね。あの様子じゃあね・・・』
甲斐甲斐しくシンの口元に料理を運ぶチェギョン・・・三度に一度はシンがチェギョンの口元に料理を運ぶ
そんな様子を目の当たりにし、開いた口が塞がらないギョンとガンヒョンは思わず言ってみる
『なあ・・・お二人さん♪』
『あぁ?なんだ?ギョン・・・』
『いい加減俺達はお邪魔なんじゃ?』
『あ?いや・・・お前たち二人には是非いて貰わないと困る。』
『なぜ?』
『学校で・・・俺がおかしな気分になったら困るだろう?』
『ちっ・・・』
『けっ・・・』
『シン君!!///もぉっ!!///』
『そう言うわけだから、今後も一緒に食事をしよう。別に俺達の事は構わないでいいから・・・』
『あ~わかったよ。』
皇太子夫妻に当てられっぱなしでは敵わない
ギョンとガンヒョンは前に座る二人は全く気にしなくなり、その後二組の世界が皇太子ルームには
出来上がったようだ
そしてそれは・・・卒業するまで続いた・・・
年が変わった頃・・・ギョンはその部屋でシンに問い掛けた
『シン~ところでさ、卒業したらあの公園のイルミネーションを見に行くという計画をそろそろ進めない?』
『あぁ?あぁそうだな。そろそろホテルの予約も入れないと拙いし・・・』
『公務の空きの日程を見てくれよ。俺達はこの日が空いているんだけど?』
ギョンはカレンダーに丸印をつけたものをシンに手渡した
『わかった。今日宮に戻ったら早急に確認する。』
『早く予約入れないといっぱいになってしまうよ。あの公園もお前たちが泊まったホテルも
すっかり人気スポットになってしまったから・・・』
『だろうな。くくっ・・・』
その日東宮に戻ったシンは、スケジュールを確認しギョンに連絡を入れた
ギョンは自分の名前で二部屋を予約し、一台の車でお忍び旅行に出かけようと目論んだ
だが・・・いくらお忍びとはいっても、皇太子夫妻が出かけるのにお忍びの護衛は必要である
ギョンが部屋を押さえた後、コン内官はギョンが予約した部屋の周りを予約し・・・
万全の体制を取ることにした
シン自身がお忍びで出掛けたいと主張する以上、皇太子夫妻であることは伏せねばならない
だが・・・ホテル側もコン内官からの電話で何かを察したらしく、再び皇太子夫妻をお迎えする準備に
取り掛かろうとしていた
さて御礼のトゲトゲチェギョンも
次回40話で完結させていただきます。
なお・・・後日番外編を出す予定です。
最後までどうぞお付き合いくださいね❤
いや~~38度って高熱だわ。
実は我が家・・・このパソコンのある部屋の
エアコンが壊れまして・・・(今年初め)
漸く新しいエアコンが付いたんです~❤
すごく快適なんだけど
音がうるさいってどうよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
このお話が終わった後は、リクエストいただいている
既存のお話の番外編を書かせていただきます。