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Channel: ~星の欠片~
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可愛い姫は棘だらけ 21

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その日・・・女官やイギサ・・・そしてガンヒョンと共に、昼休みに皇太子ルームへ向かったチェギョンは

昼食を摂りながら本日の予定を聞いていた

『チェギョン・・・今日の夕方、皇太子妃候補だった王族の娘を呼び出した。』
『えっ?一体どこに?』
『迎賓館だ。東宮に着いたらお前は着替えをして、俺と一緒に同席してほしい。』
『うん。私も言いたいことがあるし・・・。シン君!皇太后様もいらっしゃる?』
『あぁもちろんだ。』
『あ・・・でもその前に皇帝陛下と皇后様にご挨拶をしないと・・・』
『あぁ確かにそうだな。お二人はお前の事をよく覚えているが、お前にとっては
初めてお逢いするようなものだからな。』
『うん。そうなんだよね~~・・・』

仲睦まじく打ち合わせをしている二人に、ギョンが問い掛けた

『シン・・・ひょっとしたら俺達って、もうお邪魔なんじゃ?』
『そうよ。もうチェギョン一人でもここに来られるわけだし、アタシ達は退散したほうがいいのでは?』

気を回したギョンとガンヒョンの言葉に、シンとチェギョンは示し合わしたかのように首を横に振った

『いや・・・ギョンとガンヒョンには申し訳ないが、このまま昼休みは一緒に過ごしてほしい。
今後相談したいことも出て来るだろうし・・・』
『そうだよ。二人には一緒にいてほしいな。まだシン君と二人きりになるのは少し気まずいし・・・』
『えっ?アンタ何言ってんの。婚約発表した以上、婚姻は目の前なのよ。』
『だから~それまでは一緒にいてほしいなって♪』
『もぉ~仕方がないわね。』

超スピードで婚約に漕ぎつけた二人だったが、まだ互いに照れ臭い部分もあるようだ






その日・・・授業が終わった後、来た時と同じように混雑する校内を下校していく皇太子殿下とその婚約者

二人を乗せた車は東宮に向かい、到着するなりチェギョンはチョン女官と共に自室に入り訓育を受けるための

チマチョゴリに着替えを済ませた

ピンクを基調とした若々しいイメージのチマチョゴリは、チェギョンに大層似合っていた

髪は登校スタイルよりも低い位置に結われ、そこに美しいかんざしが飾られた

これから幼な妻になろうとする初々しさが、全身から溢れ出るようだった

シンも制服からスーツに着替え自室から出ていく

元々長身のシンは、制服を脱いだだけでとても高校生には見えない大人びた風格を漂わす

自室のドアに凭れチェギョンが着替えを済ませて出て来るのをじっと待つ

長年待たされ続けたシンだったが、今日は特に待ちきれない想いでそのドアが開くのを待っていた

<ガチャリ・・・>

チェギョンの部屋の扉が漸く開いた

チェギョンは照れ臭さからか頬を桜色に染めてシンに駆け寄った

『シン君♪お待たせしてゴメンね。』
『いや・・・それほど待っていない。その格好も凄く似合うな。とても・・・///可愛い///』
『そっ///そうかな///』
『じゃあまずは陛下のところに行こう。』
『うん♪』

歩き出したシンはチェギョンの右手をそっと握り締め、本殿に向かっていった

初々しい出来立ての婚約カップルは、一歩一歩互いに近づこうとしていた




本殿に到着した時皇帝陛下付きの尚宮に面会を申し込んだシンは、既に報告を受けて待ち構えていた両陛下に

笑顔で迎えられた

チェギョンはいつになく緊張した面持ちで、両陛下の前に立つと頭を下げた

『皇帝陛下・皇后様・・・シン・チェギョンと申します。この度皇太子殿下の婚約者となりました。
どうぞよろしくお願いいたします。』

チェギョンが頭を上げると、両陛下は目を細めチェギョンを見つめていた

『チェギョン・・・良く決心してくれたな。』
『すっかり娘らしくなって見違えたぞ。訓育は大変だろうが、一生懸命学ぶのだ。よいな。』
『はい!』
『では陛下・皇后様・・・私達は迎賓館に向かいます。』
『今回の事件を企てた王族の処分は太子に任せる。しっかり皇太子としての処分を下すのだ。』
『承知いたました。』

陛下の部屋を出た二人は再び手を繋ぎ、迎賓館に向かっていった




二人が迎賓館に入って行くと、すでに壇上には皇太后が席に着いており・・・もちろん三次選考会まで残った

王族の娘達は顔色を失くして椅子に腰かけていた

ホールの周りには皇室警察署員が待機しており、ホールの外には娘たちの親が中に入れて貰えず

その場で震え上がっていた

そんな重々しい空気の中、皇太后が口火を切った

『まずは・・・太子・チェギョンや・・・婚約おめでとう。』
『『ありがとうございます。』』
『王族の娘たちは大変残念だったな。しかし・・・なぜみんな一様に青い顔色をしているのだ?
まるで裁きを受けに来た罪人のようであるなぁ。』

益々俯いて身を小さくする王族の娘達・・・

『今日そなた達にここに来て貰ったのは、昨日起こった事件の真偽を確かめるために来て貰ったのだ。
昨日・・・ここにいる皇太子の婚約者が事故に遭うよう仕向けられた。
その件に関して・・・何か言いたいことのある者はおるか?』

一人の王族の娘がおずおずと顔を上げると口を開いた

『皇太后様・・・私はそのような恐ろしいことはしておりません。』
『そうか。まぁ黙って続きの話を聞きなさい。昨日・・・太子の通う高校の購買部に納品に来た業者の中に
不審な者が潜んでいたそうだ。業者に確認させたところ・・・犯罪歴のある者でな・・・
その者の指紋がシン・チェギョンの自転車から採取されたのだ。
ブレーキを壊して事故を誘発させようとしたのだ。
学校に偽りの電話を掛けた女性は、学校の向かいにある公衆電話から電話をしたことが判明している。
学校の入り口にある防犯カメラにその姿はしっかり残されていてな。二人ともすでに皇室警察に逮捕された。
だがのぉ・・・その二人がどうやらおかしなことを証言したのだ。
王族の娘から依頼されたとな!!』

じわじわと忍び寄ってくる皇太后の追及に、我慢できなくなったのはチョ・ユラだった

『皇太后様・・・その者達に命令したのはこの私です。でも・・・そこまで危険な目に遭わせるつもりは
ありませんでした。少し脅してほしいと言っただけなんです。こんな大事になるなんて思いもしませんでした。』
『チョ・ユラ・・・私があれほど言ったのに、私の言いつけを守らなかったのだな。』
『皇太后様・・・ですがこれは、ここにいるみんなの総意です。』

その発言にチョ・ユラ以外の王族の娘が騒ぎ始めた

自分は一切関与していないと、逃げ口上を口にし始めた

『みんな鎮まりなさい!』

自分だけはどうにかして逃れたいと騒ぎ立てる王族の娘達に、皇太后の叱責が浴びせられた


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す・・・すまない。
書ききれなかった(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
続きはまた次回にね❤

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