シンとチェギョンは共に食事をしながら、なんとなく歩み寄っているようにギョンとガンヒョンには思えた
それというのもシンの押しの強さが非常に際立っており、チェギョンもそんなシンに慣れてきたのか
不思議と棘を出さずにいるのだ
次にどんなセリフがシンから飛び出すのかと、二人は少々うんざりしながらシンとチェギョンを見守っていた
人の恋路ほど・・・はたで見ていて恥ずかしい物はない
『そうだチェギョン・・・今週末、東宮に遊びに来ないか?』
『えっ?東宮?でもさ・・・皇太子、私お妃二次選考会に行った時みたいな格好で行くよ。』
『ヒラヒラは・・・持っていないのか?』
『持ってないよ。物心ついた時からジーンズばかりだもん。』
『そうか。お前は可愛いからヒラヒラが似合うのに・・・』
『っつ・・・可愛いって・・・』
シンのその言葉に一瞬目を見合わせるギョンとガンヒョン・・・
だがチェギョンは目は怒っていても、棘を出すどころか少しはにかんだように口元を緩めたのだ
その表情にはギョンもガンヒョンも驚愕した
今までのチェギョンだったら、目を剥いて棘のある言葉を相手に投げまくっていたのだから・・・
『ジーンズで構わない。選考会じゃなくプライベートで来るのだから、何も気にするな。
ただ・・・宮殿の庭は王族が訪ねてきている可能性があるから歩けないが、東宮の中ならどこでも案内できる。』
『ん~考えとく。』
『素直に来るって言えよ。皇太后様から交際するように言われただろう?
校内ではこの部屋・・・宮殿では東宮でしか今は逢えないのだから・・・』
『ん~~今返事しなきゃダメ?』
『あぁ。俺は断られることを前提に誘っていない。』
『きぃ~~~っ!どこまで皇子病なんだ。』
『仕方ないだろう?育った環境が俺をこうさせたんだ。俺の命令に逆らう者はいないからな。』
『っつ・・・』
若干口答えをしながらも、シンの≪可愛い≫という言葉に棘を出さなくなったチェギョン
(いい傾向じゃん♪)
ギョンとガンヒョンは互いに胸を撫で下ろした
そんな風に毎日昼休みに逢い、一日一回定期連絡のようなシンからの電話は続いた
そしてその週の金曜日・・・朝の挨拶の為シンは本殿に入って行った
『太子や・・・明日はシン・チェギョンさんが東宮に来るそうだな。』
『はい皇帝陛下。』
『私や皇后も久し振りにあの子の顔を見てみたいものだが・・・』
『もうしばらくお待ちください。今必死に歩み寄ろうと努力している最中ですので・・・』
『そうか。もし気が向いたら本殿に連れてきておくれ。』
『そうしたいのは山々ですが、宮中には王族が顔を出すことも多く・・・今はまだその時期ではないかと・・・』
『そうだ。確かにそうだな。しかしあの船で起こった事件の黒幕はまだ捕まらないのか。』
『今皇室警察が必死に証拠を探しています。』
『そうか。黒幕が暴かれない限りシン・チェギョンさんは決して安全とは言えない。
太子・・・十分彼女を気遣ってあげなさい。』
『はい。もちろんです陛下。』
その時だった
皇帝陛下の元にキム内官が血相を変えてやってきたのは・・・
『陛下・・・たった今、皇室警察から連絡がありました。』
『なにっ?あの事件について進展があったのか?』
『はい。あの時の実行犯を殺めた者が判明いたしました。』
『なんと・・・その者はもう捕らえられたのか?』
『はい、皇室警察署に拘留されております。ですが犯人は黙秘を貫いているとの事です。』
シンはキム内官に問い掛けた
『その捕らえられている者が犯人だという確かな証拠があるのか?』
『はい殿下・・・溺死した男の爪に、現在捕らえられている者の皮膚が遺されていたそうです。
恐らく相当抵抗したのでしょう。』
『証拠が残っているのなら、口を割らせるよりほかないだろう。』
『はい。現在皇室警察では、厳しい取り調べが行われております。』
『キム内官・・・最初の実行犯が簡単に抹殺されたんだ。今度の男もそうならない様・・・
十分注意するよう伝えてくれ。』
『はい。同じことがまた繰り返されたら大変ですから・・・皇室警察も厳重に監視しております。』
こんな姑息な手段でチェギョンが妃になることを阻もうとした者を、シンは決して許せなかった
その犯人に黒幕の正体を明かしてくれるよう切に願った
翌日・・・皇室の車にしては少々小ぶりな黒塗りの車がシン家の前に停まった
シンから迎えに来るイギサのことを聞いていたチェギョンは、その運転席に座るイギサの顔を見るなり安堵した
そう・・・あの事件の時、いち早く駆けつけてくれたイギサだった
助手席にはチェ尚宮が座っており・・・それもチェギョンを安心させた
チェギョンは反抗するわけではないが、本当に普段通りの決して派手ではない格好で後部座席に乗り込んだ
『こんにちは。』
『シン・チェギョン様こんにちは。』
『殿下がお待ちです。東宮に参りましょう。』
『はい。』
運転しているイギサはバッグミラー越しにチェギョンに告げた
『シン・チェギョン様・・・大変窮屈な思いをさせて恐縮ですが、車が東宮の車止めに到着するまで
シートに横になっていていただけますか?』
『えっ?』
『申し訳ございません。どなたも乗っていないと装いたいのです。』
『あ~わかりました。では失礼して・・・』
チェギョンがシートに横になると車は東宮に向かって走り出した
これもチェギョンの身の安全を守るためなのである
東宮車止めに到着した車の後部座席から、チェギョンはこっそり降りるとチェ尚宮の後に続いた
『ただいま殿下が参りますので、どうぞこちらでお待ちください。』
『はい。』
広々とした応接室のソファーにチェギョンは腰かけると、そのあまりにも座り心地の良いソファーの
クッションを確かめた
『お~うちのソファーなんかとは格が違う。さすが硬質だね~♪
でもさ・・・あの時の事件の犯人って…まだ捕まっていないんだ。
イギサさんやチェ尚宮さんまで警戒態勢だもんね。
まぁ・・・王族の誰かに、私が東宮に来たことがばれたら大変だし・・・
もうあんなこと起こらないかな。大丈夫かな・・・』
やはりどこか不安が拭えないチェギョンは、大きなソファーの真ん中にぽつんと座り深く溜息を吐いた
『はぁ~~~~~~!!!』
その時タイミング悪く応接室の扉が開き、満面の笑みで入ってきたシンはチェギョンの溜息を聞いてしまった
『チェギョン・・・どうした?そんなにここに来るのが憂鬱だったのか?』
『あ~違うよ。そうじゃない。ただ・・・イギサさんもチェ尚宮さんもすごく警戒態勢だったから
まだ私って危険なんだな~~~って身をもって感じたんだよ。』
『あぁ・・・そうだったのか。実はチェギョン・・・あの船の事件の黒幕がつい先ほど判明した。』
『えっ?本当?』
『あぁ。お前の部屋に侵入した男を殺めた男が捕まって・・・その男が厳しい取り調べに耐え切れず
先程ようやく自白したんだ。』
『黒幕って・・・』
『あの時参加していた王族の一人だった。』
『捕まったの?』
『もちろん捕まったさ。』
『あの時のお嬢さんのうちの一人も?』
『あぁもちろん。』
『でも未成年でしょう?』
『未成年だとしても捕まったのは皇室警察だ。それなりの処罰は免れない。
お前は心配しなくてもいい・・・』
『これでもう安心できる?』
『いや・・・お前が覚悟を決めて婚約するまでは安心できない。』
『それ・・・ある意味脅してる?』
『あぁ脅してる。』
『きぃ~~っ!』
半ば口喧嘩になりそうな雰囲気を、お茶を運んできたチェ尚宮に遮られシンとチェギョンはお茶を楽しんだ後
東宮内を二人で歩いた
3歳の頃から共に歩きたいと願っていたチェギョンと、こうして自分の住まいを歩けることに
シンはこの上なく幸せな気分を満喫していた
ふぅちゃんが~~ご飯を残さず食べてくれたんです。
でもね・・・今朝Dさんに
『ふぅちゃんがいない!』って朝の5時にたたき起こされた管理人は
寝不足なんですよぉ・・・
ふぅちゃん?その時お風呂の洗面器から
お水飲んでました(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
回復しました~ご心配いただきありがとうございます❤
でもね・・・今朝Dさんに
『ふぅちゃんがいない!』って朝の5時にたたき起こされた管理人は
寝不足なんですよぉ・・・
ふぅちゃん?その時お風呂の洗面器から
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