最愛の孫娘・・・ピョルが短期留学してからどれほどの月日が経ったのかしら・・・
『チェギョンさん・・・もう何日経ったかしら?』
『お義母様・・・まだ三日しか経っていませんよ。』
えっ?まだ三日?・・・
毎日気が付くと溜息ばかり吐いている
こんなことじゃいけないと思いながらも、何もする気になれないの・・・
ピョルのいなくなった我が家は、まさに陽の当たらない家のようなもの
ピョルの存在の大きさをしみじみと感じてしまったわ
はぁっ・・・食事も美味しくないし何もする気が起こらないわ
溜息ばかり吐いて二週間が過ぎた頃・・・同じように溜息を吐いて居るハン家の奥様から電話をもらったの
『まぁ~奥様・・・先日はお恥ずかしいところをお見せして・・・』
『何を仰るんです?イ家の大奥様。大奥様が叫ばなかったら私が叫ぶところでしたわ。』
『まっ・・・まぁ・・・そうでしたか。お~ほほほ・・・』
『大奥様。あまりお声が元気じゃないように感じますが・・・』
『ええ。ピョルがいないとなんだか寂しくて・・・何もする気が起こりませんわ。』
『はぁ・・・実は私もです。テヤンがいないと家の中が寒い位に寂しく感じてしまって・・・。』
ハン家の奥様と私は・・・今まさに同士のような気持ちだった
そんな私の頭にいい考えが閃いたわ
『そうだわ。だったら元気が出るように顔だけでも見に行っちゃおうかしら・・・』
まるで独り言のように呟いた私に、ハン家の奥様はいきなり明るい声で答えたの
『大奥様・・・それはいい考えですわね。ただ見に行くだけならお勉強の邪魔にもなりませんし・・・』
『ええその通りですわ。そっと物陰からね。おほほほほ~奥様、パスポートの期限は大丈夫でしょうか?』
『ええもちろん大丈夫ですわ。』
『yかったですわ。そうと決まれば・・・』
私達二人のグランマは結託し、その後入念な打ち合わせをした
そして飛行機の予約とピョル達がお世話になっている寮の近くにホテルを予約した
全ての準備が整った夜・・・私は夕食時に旅行に行くことを家族に打ち明けることにした
もちろんピョルのところに行くなんて言わないわ。おほほほほ~♪
『みなさん・・・私、明後日から少し旅行に行ってこようと思ってるのだけど、構わないかしら?』
ダメって言われても困るのよ。もう飛行機のチケットは取っちゃったしホテルの予約もしたもの
『ああ構わないよ。君も少しゆっくりしてきたらいい。ピョルが留学してから塞ぎ込んでいたからね。』
『ほほほ・・・気分転換してくるわ。あなた・・・』
シンもまったく構わないという顔で頷いた
まぁ・・・暇を持て余している隠居の身だもの、少しくらい留守にしても構わないわよね
チェギョンさんという主婦もいてくれるんだし
でも・・・どうやらそのチェギョンさんには、私の考えがお見通しだったみたい
食後後片付けをしている時にさりげなく聞かれちゃったわ
『お義母様・・・ひょっとして旅行先は・・・ピョルのところじゃ?』
『えっ?・・・・』
『あ~やっぱり。そうじゃないかと思ったんです。』
『あ・・・顔を見てくるだけよ。お勉強の邪魔なんかしないわ。』
『お一人で行かれるのですか?』
『まさか~~!ハン家の奥様もご一緒よ。』
『でしたら安心しました。お一人だったら心配ですもの。』
『元気にしているか・・・こっそり見てくるわね。』
『それでいいんですか?それだけで満足なんですか?』
『ええ。ピョルの顔さえ見られたら、それで十分なの~♪』
もう私の心はピョルの元に飛んでいた
出発の日・・・私は家の車を使い運転手にハン家に一旦立ち寄ってから空港に向かうよう伝えた
ハン家の奥様を拾って空港に向かう車中・・・私達は話したいことを我慢していた
もし運転手からチェギョンさん以外の家族に、ピョルに逢いに行ったことがバレたら・・・妬みを買ってしまうもの
チェギョンさん以外の家族のお土産は帰りに空港で買うことにしましょうとか・・・お互いに考えていたみたい
飛行機に乗り込んだ時・・・私達はまるで娘の頃を思い出したかのようにワクワクしていたわ
家族以外と旅行に出かけるなんて若い頃以来かもしれないわ
飛行機が空に飛び立った時・・・もう私達の気持ちは二人の元に飛んでいたみたいよ
『ご家族には何と言って出てきたんです?』
私がそう問い掛けると案の定ハン家の奥様はこう答えたわ
『お友達とちょっと旅行に・・・って。ほほほ・・・』
『まぁ~私もですわ。気が合いますわね。おほほほほ~~~♪』
通路の向こうに座っていたおじさんが、嫌味を含んだ咳払いなんかするものだから・・・
その後私達は静かに話しながら、ピョルとテヤン君に思いを馳せた
ん~久しぶりに食べると機内食ってなんだか味気ないわね
ホテルに着いてからちゃんとしたお食事をしましょう~~♪
何度か機内食が出た後、さすがに疲れて私達は少し眠ったわ
目が覚めたらピョルの住む町に到着よ~~♪
着いた・・・ピョルの現在住む町に到着したわ
私達は流暢な英語を駆使して(駆使してだから決して流暢ではないわね)空港からタクシーに乗り込み
滞在先のホテルに向かった
まぁっ♪素敵なホテルじゃないの~~♪
あまり贅沢はいけないと思って、そこそこのランクのホテルを選んだのだけど、大正解だったみたい
隣り同士の部屋に荷物を置いた私達は、早速ピョルとテヤン君のお世話になっている寮に行ってみたわ
まぁっ!なんだかレトロだけど素敵な寮ね
そう思って写真なんか撮っていた時・・・聞き覚えのある声が聞こえてきたの
あれは・・・テヤン君とピョルだわ
拙いっ!隠れなきゃ・・・咄嗟に私達は、ビルの陰に隠れて二人を見守った
二人はどうやら近くのオープンカフェにランチを食べに行くみたい
寒いのに若い子は平気ね
通りに面したテーブルに座り、二人ともメニューを見ながら流暢な英語で注文をする
『二人ともすごいわね。ちゃんと通じているわ。』
『ええ。素晴らしい発音ですね。』
その後次々と運ばれてきた料理にピョルは驚いたみたい
『テヤン君・・・いつも頼み過ぎだって!留学中の身で無駄遣いはダメだよ!』
『だって・・・俺はピョルの美味しそうに食べている顔が好きなんだもん。』
まっまぁ~~~♪
『大奥様・・・若いって本当に羨ましいですわ。』
『ええ。私もそう思います。いいですね・・・若いって・・・』
二人の楽しそうな食事風景をこっそりカメラに収める私達・・・
ピョルは間違いなく海外での短期留学をエンジョイしていることが確認できて、満足した私達は食事に向かった
夜・・・其々の部屋に戻り寛いでいた時、私のスマホが鳴り響いた
あ・・・ピョルだわ~♪
私はものすごく興奮しながらその電話を取った
『ピョル~♪』
『グランマ~♪』
『元気・・・そうでよかったわ~❤』
『グランマ・・・どうして声かけないんですか?』
『えっ?・・・なんの・・・こと?』
『テヤン君のおばあちゃんと一緒に来ているでしょう?』
『えっ?バレちゃった・・・の?』
『もぉ~バレてますよぉ~~♪あんな場所で写真撮ってる人いないもの~あはは~~♪』
『ま・・・まぁ・・・バレちゃったのなら仕方ないわね。ピョルに逢いたくて来ちゃったのよ~おほほほほ~♪』
『声も掛けずに帰るつもりだったんですかぁ?』
『ええ。お勉強の邪魔になってはいけないと思って~おほほほほ~♪』
『グランマ・・・明日の夕食ご馳走してください~~♪』
『えっ?本当?』
『もう一泊位はこちらにいるのでしょう?』
『ええ。二泊したら帰るつもりよ。』
『じゃあ明日夕食をご馳走してください~~!グランマと一緒にご飯が食べたいですぅ。』
『ええ、もちろんよ。でもハン家の奥様も一緒でいいかしら?』
『テヤン君のおばあちゃんにはテヤン君が連絡してくれてますぅ。』
『そう。わかったわ。じゃあ明日・・・美味しいもの一杯食べましょうね~♪』
『わ~~い♪』
明日ピョルに面と向かって逢える・・・あの可愛い手に触れられると思うと、その晩私は嬉しすぎて
なかなか寝付けなかったの
まるで遠足前日の子供のようね。おほほほほ~~♪
寒いのももう少しの辛抱だと
自分に言い聞かせてはいますが・・・
マジ寒い(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
そんな寒い日に家のあちこちが方が来て
業者さんが見積もりにやって来ていたんですぅ・・・
更新、遅くなっちゃいました~♪