≪このお話は 陽の当たる場所 の番外編となります。≫
チェギョンさんが第三子を出産してから三年が過ぎた
第三子のウォルは実に愛らしい容貌の男の子で、外にお散歩に連れ出すと女の子と間違われるほど・・・
一女二男の可愛い孫に囲まれ、私達は楽しく賑やかに毎日を過ごしていた
今日は月に一度のお給料日・・・お仕事熱心だった嫁のチェギョンさんは、第三子出産前に一線を退き
お給料日にだけお店に顔を出している
だから今日はチェギョンさんがお出掛けの日なのよね~♪
『お義母様・・・それでは行ってまいります。ウォルとハヌルの事・・・どうぞよろしくお願いいたします。』
『あら~今日は人手がたくさんあるのだからなんの心配もいらないわ。お父さんやシンもいるし、
ピョルも学校がお休みだもの。あ・・・そうだわチェギョンさん、これ持って行って~!
私が漬けたキムチよ。昼食の箸休めにして頂戴。』
『あ~お義母様ありがとうございます。では行ってまいります~♪』
お給料日の日には給料明細を届けに行きながら、スタッフさん達と昼食をご一緒してくるのが習慣なの
たまにはお嫁さんだって羽を伸ばさないと疲れてしまうでしょう?
私が提案したのよ。いい姑でしょう?おほほほほ~~♪
夫と息子のシンは長男のハヌル次男のウォルと四人でブロック遊びをしているわ
私はピョルと一緒にキッチンでお茶を煎れるの
『グランマ~この紅茶…すごくいい香りですね~♪』
『そうでしょう?先日いただいた最高級品なのよ。それが分かるなんて・・・ピョルはすごいわね。』
『あはは~~すごいですかぁ♪』
自慢げに微笑むピョル・・・顔はチェギョンさんそっくりだけど、身長は既にチェギョンさんを越したわ
二人のいいところをミックスしたような可愛い孫娘ピョル
私の自慢の初孫よ
キッチンからリビングの様子を窺うと、ウォルはブロックで何かを作ってシンに自慢している
そんなウォルを見て私はピョルに話しかけた
『ウォルは本当にママそっくりね。それにピョルにもそっくりだわ。』
『ハヌルはパパ似だけどウォルはママに似ていますね。
でも私・・・本当は妹が欲しかったんですぅ・・・。グランマ・・・ママ、もう一人産んでくれないでしょうか。』
えっ?ピョル・・・チェギョンさんはもう40をとうに過ぎたのよ
さすがに体力的にも厳しいわ
『そうね~ピョル。さすがにもう難しいかもしれないわね・・・』
『そっか・・・妹、欲しかったな・・・』
ウォルを見つめた後少し寂しそうに俯いたピョルを見て、私はピン!と閃いた
こんな閃きはピョルが実の孫だと直感した時以来かもしれないわ
『ピョル・・・ちょっとお留守番をお願いしてもいいかしら?』
『えっ?グランマ・・・どこにお出掛けするんですか?』
『うふふ~~~ちょっとお買い物にね♪帰りにはピョルの大好物のケーキを買ってくるわ~!
じゃあお願いね。』
ピョルがいる時にピョルを置いて出掛けたことなどない私だったけど、今回のミッションは一人でやらなくちゃ~♪
私は夫とシンにもその旨を告げ、意気揚々と車に乗り込んだ
それから一時間後・・・私は吟味した品を手に家に戻っていった
もちろんピョルと約束したケーキは忘れなくってよ♪
午後にはチェギョンさんも帰るだろうし急がなくっちゃ~~♪
『ただいま~♪』
ご機嫌な様子で帰った私を、ピョルは大急ぎという感じで玄関まで迎えてくれたわ
『グランマ~何を買ってきたんですかぁ?』
『うふふ~~内緒よ♪』
私はメイドさんに昼食の準備を任せて、ピョルにケーキの箱を抱かせると小脇にウォルを抱え自室に入って行った
『ピョル!いい?決して開けてはいけませんよ。おほほほほ~~♪』
自室に連れて行かれたウォルはきょとんとした顔をし私を見上げた
『グランマぁ?』
『ウォル~おめかししようか~♪』
『あいっ♪』
なんて素直なのかしら~~♪
私はウォルの着ていた服を脱がせ、先程購入したショッキングピンクのワンピースを着せた
うんまぁ~この世のものとは思えないほど可愛いわ♪
そして花柄のタイツを穿かせ、ピンクの靴も履かせてみる
最後の仕上げに~ピンクの巻き髪ウィッグを頭に被せた
そして・・・ドレッサーの前にウォルを座らせた
『どう?ウォル。』
『か~~い~~♪』
これは拙いわね。まるで二次元世界の住人だわ~♪
『じゃあウォル~~みんなに見せに行きましょう。』
『あいっ♪』
満面の笑みで自室から出て行った私とウォル
『さぁさぁ~皆さんご覧くださ~~い♪』
皆最初は私に目を向けたけど・・・すぐにその視線はウォルに下がっていったわ
ピョルはさすがね・・・目を輝かしているわ
『わっ・・・ウォルが女の子になっちゃったよ~~♪』
すぐウォルに駆け寄ったピョル
でも・・・他の三人はドン引きしているのがひしひしと伝わってきたわ
夫など腰を抜かしてる
『母さん・・・』
シンが何か言おうとした時、それより早くハヌルが口を開いたの
『グランマ~~ウォルのじんかくけーせーがゆがんでしまいます~~!』
まっ!なんて小生意気な事を言うの?
『でもとっても可愛いから~♪』
『か~い~~?あははは~♪』
ピョルとウォルは満面の笑みで手を繋ぐ
『ウォル~お庭をお散歩しようか~♪』
『あいっ♪』
二人は並んで庭に出て行ってしまった
ピョルの妹が欲しいと願う思い・・・少しだけでも味わえたかしら
一人満足して微笑む私の背中にシンが言う
『母さん・・・お気持ちはありがたいんですが、チェギョンが帰る前にあの女の子コスプレはやめてくださいね。』
『わっているわ。』
わかっていますとも・・・チェギョンさんだってどうせドン引きグループに入ってしまうだろうから・・・
でも・・・チェギョンさんが帰る前に元の姿に戻そうとした私だったんだけど、ウォルはその格好が
とても気に入ってしまったらしく脱がないと駄々をこねた
そして・・・帰宅したチェギョンさんに見つかってしまい、私は穴があったら入りたい気分になった
『お義母様~~~!!』
はいはい御免なさいね。でもピョルの願いを叶えてあげたかったのよ
だって・・・償っても償いきれない、私の一番大事な孫娘なんだもの・・・
ピョルの為なら私は・・・どんな大暴走だっていとわないわ。お~ほっほっほっほ♪
待っていてくださった方
番外編大変遅くなりました。
もう一話くらい来るんですよ。
それはこのお話の最終話で
ネタ振りしたお話です。
またしばらく待っていてね~★
なお・・・今回個別の御返事は
失礼させていただきます。
それでもいいと仰る方だけ
コメントいただけるとありがたいです❤