婚礼の儀式が一通り済んだ翌日のお昼過ぎ・・・お姉ちゃんと共に東宮殿に戻りながらやはり私は
お姉ちゃんのお叱りを受けていた
『チェギョン様・・・おしとやかにと申しましたのに・・・』
だっ・・・だってお姉ちゃん・・・そんなこと言われてもぉ~~!そう心で思いながらも私は素直に頭を下げた
だってお姉ちゃんの教えを守ってないもの・・・
『すみません・・・』
『ふふ・・・ですが何の滞りもなく無事婚礼の儀式が終了し安堵いたしました。』
お姉ちゃんの本音だろう
ここ三年間のお姉ちゃんの苦労は、漸く報われた気分なんじゃないのかな
『ところでチェ尚宮お姉さん・・・シン君はどこに?目が覚めたらもう姿がなくて・・・』
『殿下は一旦東宮に戻り着替えを済ませて皇帝陛下の元に報告に向かわれました。』
報告?一体何の報告よ~~!しかも新妻を置いて一人で行っちゃうなんて、私の立場は~?
『あ・・・じゃあすぐ着替えて私も行かないと・・・』
『いえ、妃宮様はお部屋で休んでいるようにと仰っておいででした。
陛下が夕食をご一緒したいと仰っておいででしたから、ご挨拶はその時でよろしいかと。
それに・・・妃宮様、寝不足でお疲れのご様子です。』
ちっ・・・お姉ちゃんたらもぉ~!
夫より寝坊な妻をしょっぱなから暴露してしまった私だけど、今日のところはご厚意に甘えて自室に戻ると
少し休んだ
やはり緊張していたのかな
それに身体も痛いしね・・・へへへ♪
その日の夕食は本殿で皆さんとご一緒した
少し緊張したけど食事のマナーなどはお姉ちゃんから叩き込まれていたから、全く動じることはなかった
婚礼から二日後・・・私とシン君は登校していった
学校の正門辺りにはマスコミや近隣住民で溢れていたし、学校内も祝福の垂れ幕が下がり
お祝いムードはまだ続いていた
クラスメートたちは今までと何ら変わりなく私をチェギョンと呼んでくれる
だけど納得がいかなかったのはホン・ジュソン君だ
『妃殿下・・・ご成婚おめでとうございます。』
登校した私を待っていたホン・ジュソン君に、いきなり仰々しくそう言われたのには面食らった
『うん。どうもありがとう。でもチェギョンでいいのに・・・』
『いいえ。そうはいきません。これからは妃殿下と呼ばせていただきます。』
どうしたんだろう・・・一体なぜそんなに態度が変わったんだろう
その疑問を私は昼休みシン君にぶつけてみる
『シン君・・・あのさ・・・』
『みんなの祝福を受けたか?』
『うん♪みんなお祝いしてくれたよ。でもなんだか納得ができないことがあったんだ。』
『あぁ?一体何があった?』
『ホン・ジュソン君だよ。私の事、妃殿下って呼ぶの・・・』
『あぁそれか・・・』
シン君は何の不思議もないと言う表情で答えてくれた
『ホン・ジュソンはイギサになりたいそうだ。お前を守る為に警察学校に行き、イギサになると宣言した。』
『えっ❓イギサ?・・・確かに彼の力は強いけど・・・』
『あぁあの体格の事だろう?だがきっと警察学校で鍛えられて、立派なイギサになって
お前の前に現れるんじゃないのか?俺はそう期待している。』
そっか・・・ホン・ジュソン君はそんなことを考えていたのね
少し驚いたけどありがたいと思った
生き方を間違わず、真っ当な道を選んでくれたことを嬉しく思った
『だからそんな顔をするな。』
シン君は私の頭を励ますようにそっと撫でた
それを見ていたギョン君とガンヒョンは、溜息混じりの声を上げた
『あ~あ!まったく見ていられないね~~♪』
『ホント・・・アタシ達が見えていないのかしら?』
『新婚なんだから構わないだろう?』
『ははは・・・ごめんごめん。ギョン君ガンヒョン♪』
相変わらずこの二人は私達に寄り添ってくれている
常に見守ってくれる友人や家族もいる
私達の結婚生活はこうして順調にスタートした
ホン・ジュソンをはじめとする相撲部五人組が、見事進路を決めたのと同じ頃俺達も大学進学許可を受け取った
まぁ・・・ほぼエスカレーター式の大学なのだから、滅多なことで進学試験に落とされることはない
だがチェギョンに関しては三年間学校に通っていなかったのだ
良く授業について行けたと思う
それというのも校長をはじめとする各教科担当教諭のおかげだろう
三年間チェギョンを教えてくれていたのだからな
新婚の俺達は俺の執務が終わるとずっと一緒に過ごした
夜はバルコニーでお茶を飲みながらその日あったことを話し合い、そして俺の寝室で眠った
チェギョンが自室で眠るなんて、俺が許す筈ないだろう?
深まりゆく秋を肌に感じながら俺達は夫婦としての絆を深めていった
その年の暮れ・・・もう学校は冬休みに入り、執務室でコン内官と打ち合わせをしていた時
いつになく慌てた様子のチェ尚宮が部屋をノックした
<トントン>
『チェ尚宮でございます。殿下、火急の用件で失礼いたします。』
火急の用件?一体どうしたのだ?
『どうぞ。』
俺の返事を聞くなり部屋に入ってきたチェ尚宮は、何とも言えない表情で告げた
『殿下・・・妃宮様にご懐妊の兆候がございます。ただいま侍医様のところで診察を受けられました。
私は直ちに妃宮様を王立病院にお連れいたします。』
なに?懐妊の兆候だと?思わず顔が綻んでしまう
そういえば今朝の朝食もあまり食が進まなかったな・・・
『あぁわかった。では警護の車もつけ安全運転で向かってくれ。』
『かしこまりました。』
『なんなら私も一緒に・・・』
そう提案した時には既にチェ尚宮はドアを閉め、去っていった後だった
懐妊?子供ができたというのか?想定していたこととはいえ、実際にその事実を突きつけられると
嬉しいような気恥しいようななんとも言えない気持ちがこみ上げた
『チェ尚宮にとって妃宮様は、大切な妹も同然ですから・・・どうぞお許しください。』
『いや・・・そんなことは構わない。』
あぁ・・・妊娠報告を持ってチェギョンが戻って来るのが待ち遠しい俺だった
その後・・・なんだか何も手につかないまま、ただひたすら書類を眺めてはいたが・・・さっぱり頭に入ってこない
まだチェギョンは戻らないのか?五分置きに時計を眺め、こんなことなら追いかけてでも
病院についていくべきだったと後悔し始めた頃・・・漸く執務室のドアがノックされた
<トントン>
『シンく~~ん♪』
『どうぞ。』
そういいながら俺は椅子から立ち上がると、ドアに向かっていった
そして予想通り満面の笑みのチェギョンは俺に向かって猛ダッシュしてくる
コラコラダメだろう?飛びつくなんて・・・俺はチェギョンが俺に抱きつく前に肩を掴みその動きを封じた
『な・・・なに?シン君!』
『俺を責める前に報告する事があるんだろう?』
『あ~そうだった。あのね・・・もうすぐ妊娠三カ月だって!』
妊娠三か月?だとしたらあと七カ月もしたら、このペタンコのお腹から赤ん坊が生まれて来るのか?
『そうか。良かった。大事にしないとな・・・』
『でもシン君・・・どうして抱きついちゃあダメなの?』
『お前のその勢いで抱きついたら、お腹が圧迫されてしまうだろう?』
『でも今朝までは普通にしていたのに?』
『今朝までしていたとしても、妊娠がわかった以上はダメだ。赤ん坊が苦しむのは嫌だろう?』
『あ・・・そうか。確かにそうだね。生まれるまで我慢しよう。それとね・・・シン君、///安定期に入るまでは・・・///』
『あぁわかっている。』
『えっ?わかっているの?』
『俺も夫のはしくれだ。そのくらいの知識は持っている。』
『そっか♪』
当分チェギョンとの主導権争いは禁止だな
チェギョンのお腹の中に新しい命が宿ったと知った今、俺は益々チェギョンが愛おしくてたまらなくなった
そして新しい年を迎えたと同時に皇太子妃シン・チェギョンの懐妊は、皇室広報部より発表され
国中がお祝いムードに包まれた
それから二か月後・・・少し窮屈になった制服を着てチェギョンは卒業式に出席した
三年間先帝の別荘に勉強を教えに来てくれた先生方にお礼をしたいと、皇室マーク入りのハンカチを持参して・・・
きっとチェギョンは感謝の思いを、先生方にしっかり伝えて来ることだろう
暑い・・・非常に暑いですね。
でも北の方では天候が崩れるとか?
正直一雨欲しい気分です。
軽くぶっ飛ばしちゃいましたけど・・・
次回は入学と第一子出産かな(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
でも北の方では天候が崩れるとか?
正直一雨欲しい気分です。
軽くぶっ飛ばしちゃいましたけど・・・
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